逃げたケンカは終わらない‥‥初めての喧嘩で人を殴ったAさんの物語
山口県山口市の徳心会KICKBOXING CLUB、代表&52歳現役キックボクサーのオスカー綾塚のブログです!
以前に‥極真空手の創始者の大山倍達先生の、「逃げたケンカは終わらない」という言葉を紹介しました!
↑↑世界1200万人の巨大空手組織を一代で作り上げた故・大山倍達総裁
僕の知人に‥‥
そういうケンカとか不良とかヤンキーとか
そんなのが大の苦手‥‥という人がいました
いま‥‥40の後半くらいかな‥‥
もうとにかくそういうのが嫌いで‥‥
でも格闘技の試合は時々、観たりすることがあるようで‥
まあAさんということにしておきましょう
このAさんは‥‥工場で働いていました
Aさんと知り合ったのは13〜14年前くらいかな‥‥
格闘技をやっている僕に対して憧れがあるようなことを何度も何度も言われてました
せっかくなので
「僕のところで練習しませんか?」と何度も誘ったのですが
いかんせん、住んでいる場所が僕のところから1時間はかかるところで‥‥(´・ω・`)‥
↑↑男の子はケンカの2つや3つ‥経験した方が良いですね
彼も強さへの憧れから「いや〜僕も‥やりたいんですよね〜」と。
聞くと学生時代からどちらかと言うと読書のような静かなタイプで
学生時代から「ヤンキー」「不良ぽい」同級生が苦手‥
その苦手意識から
彼らのような人種を見ると
やたらと悪態をついてました
例えば‥‥コンビニの前で
ちょっと車を派手にしているお兄ちゃんたちを見かけた‥‥
そしたら「ああいうチンピラみたいなのがいるから夜のコンビニに行ったりするのは好きじゃない。ああいう◯◯が日本の治安を悪くする!」とひとこと。
例えば‥建設現場で
作業着を着て真夏の暑い中、ご苦労さん‥‥と思うような局面でも
彼らのタバコを持つ仕草、その場にポイ捨てするのを見ると
「ああいう◯◯な連中がいるから現場の仕事は好きになれない。ああいう◯◯は◯ねば良いのに」
とかとてもブログには書けないような差別的発言がかなりありました
それもコレも全て「ヤンキー」「不良ぽい」人間が嫌いで怖くて
彼らを連想させるモノ全てが気にくわない‥‥という感じでしたね‥
本人も精神的に強くなって
そういう連中を見ても何とも思わないようになりたい‥‥と哲学書とか宗教書を読み漁って
相当にそういった哲学には詳しかったです
↑↑男はケンカが強くないとダメだよ!!といつも熱く語っていた大山倍達先生
だけどAさんがどれだけ哲学書を読もうが‥‥宗教書を読もうが‥‥そんなことで精神的に強くなる訳ではありません
もちろん哲学書を1000冊読んだら
「哲学書を1000冊も読んだ」という体験が
精神的な強さにちょっと繋がる可能性はあります
言葉を変えれば「哲学書を1000冊読む修行」をしたということ
英語とフランス語の通訳試験に合格するくらい勉強しまくった‥‥というのも精神的な強さに繋がる可能性はあります
「アレだけ徹夜で3年間‥勉強しまくったんだから少々のことは大丈夫だ!」みたいになるわけですね
それも結局は「肉体的な苦痛」を克服した結果として精神的な強さに繋がる訳ですね
坐禅を組む‥‥滝に打たれる‥‥というようなお坊さんのような修行を
「肉体を通して」経験するからこそ
精神的な強さに繋がる‥
脳内で「坐禅を組む」「滝に打たれる」妄想をいくらしても精神的な強さに繋がることはない‥‥
だけど‥‥肉体的な苦痛を克服したことが精神的な強さに繋がるのなら
ダイレクトに殴られ蹴られ‥‥を克服するのが一番手っ取り早いですね
‥‥哲学書を1000冊読んでも‥‥こんな言い方をしたら元も子もないけど‥‥‥
無門会空手‥の創始者の富樫先生が以前に格闘技通信の連載を持っていたとき
↑↑冨樫先生
「宗教的、哲学的に『私は悟った、不動の心を得た』という人間がいたとする。しかしそんな人間でも正拳突きを顔面に叩き込めば泡をふいて慌てふためく‥その不動の心はどこに行ったのか?‥ということになる」
↑↑過激な発言だったけどその通り‥‥の冨樫先生‥‥
当時‥‥20歳前後のオスカー青年は
「乱暴な物言いだけどその通りだよな‥」と思いました
そのくらい‥‥ダイレクトに殴られる‥‥というのは人に取り恐怖を感じ心を乱されることなんですね
プロボクサー‥という人種が多くの格闘技、武術者から敬意をもって見られるのは
ボクサーが「人間にとり一番殴られるのが嫌な箇所、恐怖を感じる場所」である「顔面のみ」を殴り合い(もちろんボディも殴りますが)
競い合う競技‥‥だからですね
先に書いたAさん‥‥哲学書や宗教書をめちゃめちゃ読んだのでしょう
彼はそれで精神的に色々なことを言っていたけど(悟りがなんたらとか)
だけどヤンキーや不良のような人種を見ると怖い訳ですね
彼らのようなタイプを見る度に
ビクビクしてしまう‥‥
Aさんも‥彼も強くならないといけない‥‥とわかっているんだけど
その一歩が踏み出せない‥‥
ケンカをしたことも無い‥‥
そういう雰囲気すら怖い‥‥
そんな彼がある日のこと‥‥
工場内でフォークリフトで60キロ程度のモノを移動とかしていたようです
工場内にいる‥‥Bさんという、仕事の態度も良くない、どっちかというとAさんの嫌いなタイプの人種‥‥
そのBさんとはもう何年も何年も、折り合いが悪い‥‥というか
Bさんは粗暴な振る舞いが多く
Aさんはめちゃめちゃ嫌だった‥‥
↑↑粗暴な人‥
でもAさんはBさんが怖くて何も言えない‥‥
とにかく粗暴な‥‥ジャイアンのようなBさんのことが嫌いで怖かった訳ですね
とにかくBさんには腹がたっており
Aさんは「空想で」脳内の中で
「ウエストポーチに入れている仕事用のカッターで斬り付ける」妄想を何十回とした
とのことでした‥‥
脳内でBさんをカッターナイフで斬り付ける‥までの妄想を何十回もするくらいBさんのことを嫌いで憎んでいたわけですね
そして‥‥ある日のこと‥‥
工場内で‥‥そのフォークリフトを動かし‥
Bさんはフォークリフトに乗せていた荷物をガシャーンとめちゃめちゃ乱暴な置き方をしたらしい‥‥
そして‥‥
その瞬間‥‥‥
Aさんの中で何かが弾けた‥‥キレた‥‥
他の作業場所に向かっていたAさんは
クルッと向きを変え‥‥そしてBさんの方に歩いていき‥‥
苦手で大嫌いだったBさんのそばに行き‥‥
何も言わず‥‥
Aさんは‥‥いきなり‥‥
Bさんをぶん殴ったのです!
突然に殴られたBさんはひっくり返り
他の作業員の人も「何ごと??」と大注目‥‥
Bさんは「いきなり何をするんだよ!!」みたいになった訳ですが
周りの作業員の人が間に入り
それ以上の揉め事にはなりませんでした‥‥‥
そして‥‥いきなり殴りかかったAさんはこの事件により‥‥
警察を呼ぶか呼ばないか‥‥
ということになりました
職場ではAさんはなぜBさんを殴りつけたか?という問題になり
Bさんの仕事ぶりも問題になりました
警察を呼ぶまでにはなりませんでした‥‥が
そしてAさんは謹慎処分になり
会社を休んでいたとき‥僕のところに整体に来られ
その時にこの話を聞いたわけですね
Aさんはかなり落ち込んでいました
ひと通り‥‥Aさんの話を聞いたあとに僕は
Aさんに‥‥ひとこと‥‥
「Aさん‥‥あなた偉い!!!素晴らしい!!よくやった!!!!お見事だ!!!」と褒めました\(^o^)/
それを聞いたAさんが
「いや〜まさか‥‥オスカーさんにそんなふうに言ってもらえるなんて‥‥嬉しいです!!」
も喜びました
というのも‥‥
Aさんが参加している日曜日に行われる人生勉強会の会合などでも
講師クラスの
年配の女性などにも参加者の他の人にも
「Aさん、気持ちはわかるけど手を出したら負けよ」
「理由は何であれ暴力はダメよ」的なことしか言われなかったわけですね
散々周りからの「常識的な」人たちからは怒られたわけですね。
そしてその中で
1人だけ
「偉い!!!よくやった!!!素晴らしい!!!」と大絶賛したのが僕ですね
Aさんは‥‥それまでの40年の人生で
ただの1度も喧嘩もしたこともなく
そういった場面も苦手
そういった弱さから
ちょっとでもヤンキーじみた人間、ツッパった人を見ると「あの◯◯が!」と平気で差別的な言葉を口に出していました
すべてが自分に全く自信が無いため。
そしてAさんはBさんに対して脳内で何度もカッターナイフで斬り付ける‥という妄想をしていました
もし、その時にAさんがBさんを殴っていなければ
先でBさんをカッターナイフで斬り付け
もっと大きな事件になった可能性もあった
いやその可能性が高かった‥‥
実際‥‥AさんがBさんを殴りに行ったとき
「Bさんの態度にプチンとキレてそこから記憶がないんですよ。スタスタ‥と彼のところに歩いて行ってもう殴りつけた時は完全に『無』の状態でした」
と。
コレ、正直素手で殴って良かったね‥と僕がAさんに言えば
Aさんは「いや本当にカッターナイフでなくて良かったです」と。
そして‥Aさんは結局‥‥退職することになり
Bさんにも慰謝料として◯◯万円払うことになるのですが
退職したあとにAさんと話をしたら‥
それはもう‥‥スッキリした顔をしていて‥‥
「いや〜まさか自分にもあんな大胆な行動ができるなんて‥自分ながらビックリしてます」という話に。
「Aさん、めちゃめちゃ凄いと思うよ。周りからは『暴力はダメ』みたいに言う人間がほとんどだと思う。だけどAさんは今回のことにより実際にそういった喧嘩になる‥という実戦を積み経験を積み、社会的にどうなるか?ということを例えば‥これからは後輩にも『自分自身の経験から』伝えることも出来る。そして‥‥何よりも‥‥Aさんにとって今回の件は自信になったんじゃないの?」
と僕が聞いたら
「いや〜本当にこんな言い方をしたらアレですが自信になりましたよぉ」とAさんは言われてました
確かに数十万の勉強代は高く感じる人もいるかも知れません
しかし僕は全くそうは思いません。
Aさんにとりこの体験は絶対的2必要な体験でした
彼の性格上‥‥思いつめ‥最後に拳ではなく凶刃として相手に向けられたらどうなっていたのか?
彼はこのBさんの件でそれを学んだ‥
そして何よりも「自分もイザという時は戦えるんだ!」という勇気を持てたのが大きい‥‥
大山倍達先生が「男はね‥喧嘩が強くないとダメだよ‥」と言われているのが本当によくわかります
Aさんがこの件からしばらくして‥‥
「オスカーさんにあのBさんの話をした時、『偉い!よくやった!』と褒めてもらったのがもの凄く嬉しかったんです。オスカーさんにも『そんなことしたらダメだ!』と怒られると想っていたので‥‥あの時に褒めてもらったのがもの凄く救われました」と言ってました
こういう時に‥‥「殴ったらダメよ」「手を出したら負けよ」という人間は
殴られた経験も無い、そういった修羅場を経験したこともない人でしょうね
実際に「非現実的」な場面に遭遇したことのある人には
このAさんのエピソードは
「うん分かる‥‥Aさん、よく殴った!」と褒めたくなるでしょう
男は‥‥ケンカの一つや二つ、できないとダメです
そのくらいの覚悟がないとダメです
↑↑オスカーさんが‥‥またガチモードの投稿を‥‥と驚きを隠せないアザラシさん
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